はじめまして。

我が国は、経済的にも文化的にも豊かになりました。わずかな例ですが、高速道路や高速鉄道などのインフラは全国に延長され、下水道も全国的に普及し、また、大学進学率は高く、美しい美術館や博物館は全国にあります。欧米先進国と比較しても、大方の面で遜色ないレベルになってきたといえるでしょう(まだまだ比較にもならない分野があることを認めますが)。これが成熟国家と言われる所以なのだと思います。

しかし、これからの我が国の将来は不安だらけです。少子高齢化による労働力不足や社会保障負担増加、また多大な国家債務も抱えていますし、経済的格差も顕在化してきています。これらは多くの専門家が我が国の衰退兆候として指摘しているとおりですが、本当に新たに発展してきた新興国の後塵を拝してゆかねばならないのでしょうか?それとも革新的成熟国家として、今後も持続的に成長していくことができるのでしょうか?今、その分かれ目にきていると思われます。歴史をひもとけば、長年にわたり経済的成長を続けている国がある一方で、かつて栄華を誇った国が、やがて平均的な国に衰退していった例もたくさんあります。

私は、国家の持続的な成長のためには、個々人のイノベーションと起業家精神が不可欠、と考えています。

ときに時代は、第4次産業革命の真っ只中。しかも、輸送インフラの発展によりグローバル化も進み、北米でも、欧州でも、またアジアでもすぐに移動できる時代になりました。国内市場のみならず、海外市場にも容易にアクセス出来る時代になったと言えます。これにITの進化が重なり、わざわざ移動せずとも世界中の人々と容易に、しかも高度なコミュニケーションがとれるようになりました。

こうした時代に経済活動で生き残るためには、今までの製品やサービスはもとより、営業、開発、製造といった仕事のやり方も変える必要があります。しかし、変わらざるを得ないから変わるという受け身の態度でなく、この時代の変化を「機会」と捉えて積極的に新しいやり方に挑戦するならば、大きな成果が得られるに違いありません。

これがイノベーションであり、イノベーションに挑戦する心構えが起業家精神です。

私は弊所を、このイノベーション支援のために設立致しました。また、イノベーションを事業化するためには起業家精神が不可欠です。これは、いくら本を読んでも、人の話を聞いても、実行しない限り学ぶことはできません。私は独立して弊所を設立致しましたが、これは自らの起業家精神を錬磨するためでもあります。組織を離れた当初は不安と戸惑いばかりでしたが、すべての業務を自ら構想し、自らの意思と責任で進めていくことがこれほど楽しいことだったのかと、今は確実にそう思えるようになりました。この楽しさを多くの方々に実現して頂きたいと考えております。

幸せな将来、幸せな世界、幸せな日本、そして自らの幸せを築くために、起業家精神を奮い起こし、イノベーションに挑戦しましょう。挑戦とは、自らの思考に基づき、自らに相応しい人生を選択し創造する勇気を持つことに他なりません。失敗を恐れてはいけません。失敗は最高の学習の機会ですし、幸いにして今の豊かな日本ではいろいろな挽回策が考えられます。とは言え、挑戦はあくまでも成功を追求します。そのための伴走指南役が弊所です。

2019年7月